『別れを力に在宅で看取ったわが子の「証」』二宮護著

公開日: 更新日:

 身内を病気で失った悲しみを残された家族はどのように受け止め、乗り越えるのか。それがわかる一冊。がんに侵された13歳の長男の1年半の闘病生活と家族のその後の再生を克明に記録した。著者はフリーランスの編集・記者である父親。愛情あふれる文章に心を打たれる。

 死を前にして「ありがとう」を言い続ける長男。最期に看護師さんたちが、中学の野球部で使う試合用のユニホームに着替えさせてくれたとの記述は、涙なくしては読めない。
 人間の死には、生物的・物理的な死と、周囲の記憶から存在が消える社会的死の2種類があるという。長男の死後、周囲の励ましに、長男はまだ死んでいない、と感じられるという著者。身内を失った家族の再生に周囲がどう関わるのか。そのヒントにもなる。
(インプレスコミュニケーションズ 1500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(2)

  2. 2

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(1)

  3. 3

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  4. 4

    2026年は米価が値頃になるのか? 昨年末には最高値更新も業界には先安感漂う

  5. 5

    「日吉湯」は大満足のスーパー銭湯風銭湯 15台分の駐車場も完備

  1. 6

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(3)

  2. 7

    NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への“期待と不安”…第1話を見た時代劇研究家が語る

  3. 8

    “脇役中の脇役”仲野太賀に秀吉を補佐する弟・秀長はまさにハマリ役 NHK大河「豊臣兄弟!」スタート

  4. 9

    青学大・原晋監督も警戒! 早大総長の「2億円の置き土産」は来年開花するか

  5. 10

    矢沢永吉と郷ひろみ…NHK紅白で浮き彫りになった“待遇格差”の現実 視聴率35%回復も問題山積