「親子で読むケータイ依存脱出法」磯村毅著
昨年から文部科学省がホームページでまで警告しているのが子どもたちのケータイやスマホへの依存。SNSやゲームにハマるだけでなく、LINEを使ったイジメ問題も浮上。リアルな教室内だけでなくバーチャル空間まで駆使してまさに逃げ場のないイジメが蔓延しつつあるのだ。
本書は名古屋の呼吸器内科医で「依存心理学」の専門家だという著者による親子でのケータイ依存の対策マニュアルである。7歳から18歳まで著者自身が実際にやりとりした子どもたちとの対話を採録しながら、そこに含まれる問題点を細かく指摘する。
特に「なぜケータイを使ってはいけない時間帯を決めるの?」とか「依存症はどんなにこわい?」といった子どもならではの素朴な疑問や反論にていねいに答えているのがいい。なるほどこう辛抱強く説明するのかと目からウロコの思いをする読者も多いだろう。我が子がLINEイジメの加害者になっているケースもあり、親たちも知らなかったではすまされない。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1400円)