「ガタロ」ガタロ/絵、中間英敏/文

公開日: 更新日:

 ガタロ氏が自費出版した画集を偶然、手にした中間氏は、個人的に親交を深めた後にテレビドキュメンタリーを制作。長い時間をかけて心を通わせてきた中間氏がガタロ氏の人生と作品についてつづった文章を読むと、彼がどんなときにも絵を描かずにいられなかったように、清掃という仕事にも真摯に向き合って全力を注ぎ打ち込んでいることが分かる。描くことも仕事も、氏にとっては生きることと同義なのだろう。

 ガタロとはカッパの意であるとともに、ホームレスや汚い身なりでふらふらしている人を呼ぶ蔑称や自嘲の言葉だという。世間のしがらみに縛られず自由を求めその名を名乗る氏の生き方と作品に、ただただ圧倒される。

(NHK出版 2300円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲