【そうだ山へ行こう】山を愛する人々の名作53編がつまったアンソロジー

公開日: 更新日:

■「山の名作 読み歩き」大森久雄編
山と溪谷社(880円+税)

 登山や旅関連に精通する編集者が「山を愛する人々」の文芸作品53編を収めたアンソロジーが「山の名作 読み歩き」だ。紀行文、エッセー、詩や俳句など多種多様な作品を集めてある。

 自然の厳しさを生々しく語る者、登山の心得のないやからへの苦言を呈する者、経済至上主義によって山の静謐さが失われていくことを嘆く者、滑落の恐怖を味わい、いまだ夢に見る者、山頂での生理現象をユーモラスに描く者。いずれにせよ山に魅了され、足を運び、己と対峙した人の心模様は興味深い。「山登りは単なる肉体運動ではなく、一種の精神活動を伴う行為」という著者の思いが伝わる構成だ。

■「東京近郊トレッキング BESTコースガイド」
昭文社(1200円+税)

 登山初心者に薦めたいのが「東京近郊トレッキング」。

 日帰りから2泊3日の縦走コースまで、体力度やテクニック度などの目安とともに詳細な情報を記した精緻な地図を掲載。御嶽山噴火前に刊行されたため、かつての美しい頂上付近を紹介したページも。無理のない登山計画に役立つ情報と登山の心得を掲載。「山は怖い」と忌避するのではなく、緻密な計画と万全の準備、山への畏敬の念が大切だと悟るべし。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ