正月に読みたい特選小説

公開日: 更新日:

 暦に恵まれ、昨年に続き、いつもよりも長い正月休み。読書家には、暖かい家にこもって物語の世界にどっぷりと浸れる至福の時となるに違いない。そこで、時間をかけて堪能したい大作から、旅のお供にもなってくれる佳作まで、正月休みに読みたい特選小説5冊を紹介する。

■「教団X」中村文則著
 楢崎は、自分のもとから突然去った涼子が、ある教団に出入りしていると知り、訪ねていき、教祖と思われる松尾への面会を求める。
 応対した峰野らによると、ここは宗教団体ではなく、松尾も教祖ではないが、月に1回彼の話を聞きに多くの人が集まっているという。
 涼子の写真を見せると、峰野らの顔が曇る。涼子は、資産家の松尾を架空の投資話でだまし、資産を奪った一味の一人だという。沢渡という男が率いる一味は名前がなく、公安から教団Xと呼ばれるカルト集団のメンバーらしい。松尾の屋敷を後にした楢崎は、接触してきた女に導かれ、教団Xの施設へと案内される。
 米紙「ウォールストリート・ジャーナル」年間ベスト10小説に選ばれるなど、いま世界で注目される作家が、人間とは何か、神とは何かという根源的な問いに挑んだ500ページを超える巨編。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?