「旅はときどき奇妙な匂いがする」宮田珠己著

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 数年前から右足に謎の痛みを感じるようになった著者は、病院に行っても原因がわからないその痛みを「ペリー」と名付け、ペリー来襲から逃れるべく休暇旅行に出かけた。若い頃に追求した他の誰にもできない自分だけの旅でも、紀行文を書くことを目的とした仕事のための旅でもなく、悩みを軽減するために自分の気分と都合だけを優先した自由な旅の原風景に戻ろうと決意したのだ。

 そんな気分で選んだ旅先は、台湾、マレーシア、インド、熊本。心の底からリラックスできる旅をするため、ボロボロの文庫本を荷物に忍び込ませ、飛行機恐怖症の軽減策を考え、心の赴くままホテルや散策する町を選択してアジアをさまよう。果たして、休暇としての理想的な旅は実現できたのか――。

 サラリーマン生活を経て、「旅の理不尽」でデビューした著者による迷走旅エッセー。旅先の見どころを紹介した紀行文と違い、気ままな旅ならではの非日常感をユーモアたっぷりにつづっている。

(筑摩書房 1500円+税)



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