「ラスト・ワルツ」柳広司著

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 帝国陸軍の伝説的なスパイだった結城中佐が設立した陸軍秘密諜報員養成所(D機関)で教育された異能の若者たちが世界各地で暗躍するスパイ・ミステリー「ジョーカー・ゲーム」シリーズの最新第4作。第1作を原作とした映画「ジョーカー・ゲーム」も現在公開中。

 特急〈あじあ〉号の車内で情報の受け渡しをするはずだったロシア人が殺されていた。殺ったのはソ連の秘密諜報機関〈スメルシュ〉だ。密室状態の列車内で諜報員の瀬戸はスメルシュと死力を尽くして対決する。(「アジア・エクスプレス」)

 華族出身で陸軍中将夫人の顕子は米国大使館主催の仮面舞踏会で、かつて不良たちに襲われたところを助けてくれた男を捜していた。いつかダンスをすると約束していたのだ。そして現れた男の真の目的は……。(「舞踏会の夜」)

 駐独日本大使館の情報漏れのルートを遮断するべくドイツの映画撮影所に潜入した雪村は、ナチス宣伝相ゲッベルスと遭遇。雪村はそこである画策をする……。(「ワルキューレ」)

 巻を追うごとに熟成の度を深めていく。今後も期待。

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