「真紅の人」蒲原二郎著

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 摂津国の名刹四天王寺に近い鳶田の貧人集落に暮らす少年・佐助は、幼い頃に母親をはじめ一族を伯父に皆殺しにされるが、彼ひとり命からがら生き延び、以来各地を転々としてこの地にたどり着いたのだった。

 慶長19(1614)年10月、夜更けの街道で3人の男が老人を襲っているのを目にした佐助は、持ち前の正義感から老人を助け出す。実はこの老人、真田信繁(幸村)の家臣・掛居久蔵で、折しも徳川方を迎え撃つべく大坂城に入った主君に合流する途次だった。

 仇敵の伯父が徳川方にいることから、仇討ちしようと大坂入りを企てていた佐助は、渡りに船とばかり、親友の権太と佐助に読み書きを教えてくれた僧侶・隆海と共に真田家の家臣として大坂の陣に参加することに。

 劣勢の豊臣方にあって創意と奇策を駆使して一矢を報いようとする真田家主従、秘められた過去を胸に我が子のように佐助を見守る隆海、そして隠された出自を持つ佐助……。それぞれの思いを抱きながら大坂の陣は終局へ向かっていく。戦国を舞台にくり広げられる新機軸の貴種流離譚。(KADOKAWA 1800円+税)

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