「日本の反知性主義」内田樹編

公開日: 更新日:

 安倍政権は大きな顔をしてやりたい放題。それなのに国民の多数は、この政権を支持している。日本人はバカになってしまったのだろうか。

 この危機的状況の根底には反知性主義が蔓延している、との危機意識にもとづき、現代の知性が集結。編者の原稿依頼に応じて、白井聡、高橋源一郎、赤坂真理、平川克美ら、9人の論客が、それぞれの立場から知見を述べている。

 タイトルはリチャード・ホーフスタッターの名著「アメリカの反知性主義」から取られた。反知性主義とは、知性の欠如ではなく、知性への憎悪を意味する。知的情熱や理想主義がときに最悪の反知性主義を生み出すから始末が悪い。反ユダヤ主義しかり、マッカーシズムしかり。

 では、現代日本の反知性主義とは? 論者によって定義はまちまちだし、論点もさまざまだ。政治家の暴言、へイトスピーチ、ヤンキーの跋扈、マスコミの論調への付和雷同、歴史の軽視……。反知性主義的社会現象も多様。だからこそ、複数の視点が意味を持つ。

 複眼的論考が教えてくれる大事なこと。それは、反知性主義は他人事ではなく、うかうかしていると無自覚のうちに取り込まれるということだ。バカになりたくない日本人、必読の書。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    りくりゅう電撃引退も三浦璃来だけ競技継続の「ウルトラC」…ごく身近にも“前例”あり

  2. 2

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  3. 3

    小室眞子さん最新写真に「オーラがない」と驚き広がる…「皇族に見えない」と指摘するファンの残念

  4. 4

    エゴイストのような「人間性」がアウト? ドジャース佐々木朗希にトレード説がくすぶり続ける根拠

  5. 5

    小室圭さん家族3人ショットを「ニューヨーク・ポスト」が報道 1億円以上の新居から居住先、子供の性別まで赤裸々に…

  1. 6

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  2. 7

    松重豊がついに引退を示唆し2代目探しに言及…「孤独のグルメ」井之頭五郎を継ぐ有力候補者の実名続々!

  3. 8

    佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れていた

  4. 9

    FIELD OF VIEWボーカル浅岡雄也さん 2002年の解散時は重圧で「うつ状態に」…6年前に再始動

  5. 10

    りくりゅうペア大逆転金メダルを呼んだ“かかあ天下” 木原龍一はリンク内外で三浦璃来を持ち上げていた