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「抱く女」桐野夏生著

 この小説の舞台は1972年の吉祥寺。20歳の直子は大学をさぼり、男友達との麻雀やジャズ喫茶でのバイトに明け暮れている。

 学生運動が終焉に向かい、連合赤軍事件が発覚して、「革命」の破綻が露呈したこの時代、学生たちは怠惰と無気力の中にいた。

 親に大学に行かせてもらいながら、わがまま勝手に生きている直子だが、ヒリヒリするような生きづらさを感じている。内ゲバを繰り返す過激派を嫌悪し、ウーマンリブにもなじめない。ひっきりなしにたばこを吸い、酒を飲み、気の向くままに男友達と寝る。

「抱かれる女から抱く女へ」

 これは当時のウーマンリブのスローガンだった。直子も自分の意思で男を抱いているつもりだった。ところが、対等な仲間だと思っていた男たちは、陰で直子を「公衆便所」呼ばわり。それを知って直子は激しく怒り、傷つく。なぜ男たちは女を蔑むのか。これではいつまで経っても男たちと共闘することなどできないし、対等な恋愛もできない。

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