「君の膵臓をたべたい」住野よる著

公開日: 更新日:

 人に興味がなく本ばかり読んでいる高校生の<僕>は、盲腸の術後の抜糸のために行った病院で、「共病文庫」と手書きで書かれている一冊の本を拾う。開いてみると、それは膵臓の病気で死が近い人が書いている日々の記録で、その書き手は人気者のクラスメートの山内桜良だった。

 桜良の秘密を知ってしまった<僕>は、今まで全く縁のなかった桜良に秘密を他言しないことを約束させられただけでなく、誘われるままあちこち連れ回される。常に人に囲まれる桜良と孤独で影の薄い<僕>のコンビの奇妙さに、周囲のクラスメートは驚き、ついに<僕>のストーカー説まで出回るほどになる。そして秘密を共有したふたりには、予想していたものとは別の結末が待っていた……。

 著者は、「小説家になろう」という小説投稿サイトで本作が話題となり、異色のデビューを果たした新人作家。衝撃的なタイトルもさることながら、人が人を必要とする意味を読み手に考えさせる温かな読後感が共感を呼び、初版3万部から累計7万部に達した。新人作家の文芸書としては異例のヒットを記録している。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    箱根駅伝中継所ドクターは全員が順大医学部OB…なぜか協力しない大学がウジャウジャ

  2. 2

    青学大駅伝選手 皆渡星七さんの命を奪った「悪性リンパ腫」とはどんな病なのか?

  3. 3

    統一教会「自民290議員支援」で黒い癒着再燃!ゴマかす高市首相をも直撃する韓国発の“紙爆弾”

  4. 4

    「インチキ男 ジャンボ尾崎 世界の笑い物」マスターズで不正しても予選落ち(1994年)

  5. 5

    萬福(神奈川・横浜)異彩を放つカレー焼麺。常連の要望を形にした強めのとろみ

  1. 6

    浜辺美波 永瀬廉との“お泊りデート”報道追い風にCM契約アップ

  2. 7

    神田沙也加さん「自裁」の動機と遺書…恋人との確執、愛犬の死、母との断絶

  3. 8

    長澤まさみ「結婚しない女優」説を覆したサプライズ婚の舞台裏… 福永壮志監督と結びつけたのは?

  4. 9

    スライム乳の小向美奈子はストリッパー歴12年 逮捕3回経て

  5. 10

    悠仁さま初の新年一般参賀 20年後「隣に立つ皇族」は誰か? 皇室に訪れる晩婚・少子化の波