「リバース」湊かなえ著

公開日: 更新日:

 主人公は、オフィス機器や事務用品を扱う会社に勤めるサラリーマン・深瀬和久。特に夢もなく平凡な日々を送っていたが、唯一コーヒーをうまくいれることだけには自信があった。

 そんなこともあってコーヒー豆専門店で知り合った越智美穂子と付き合いはじめ、人生に明るい兆しが見えてきたかと思ったとき、「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた手紙が美穂子の勤務先に届く。

 問い詰められた深瀬は、かつて事故死した友人・広沢由樹のことを思い出す。その事故当時に関わりのあった同じゼミ生に連絡をとると、彼ら全員に同様の手紙が届けられていた。事故死した広沢は酒を飲んで車を運転したのだが、ゼミ生の誰もが彼の運転を止めなかったのだ。

 いったい誰が手紙を出したのか。真相を知るべく、深瀬は広沢の人生をさかのぼって調べ始める。そこで明らかにされた事故死の真相とは……。

「告白」で本屋大賞を受賞して以降、ミステリーの旗手として注目を浴び続ける著者による最新作。今まで知らなかったかけがえのない友人の過去を掘り起こした末に、主人公が最後に見つけた真実が衝撃的だ。(講談社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?