「水中考古学」井上たかひこ著

公開日: 更新日:

 水中考古学とは、海底などに眠る遺跡や沈没船を発掘、保存、調査する研究分野。日本での第一人者が、自ら携わった調査を紹介しながら、その歴史と日本の現状、そして課題を論じた未知の世界への招待状。

 1950年代、エーゲ海のトルコ寄りの海底に、青銅器時代から中世に至るまで、各時代の船が30隻以上も沈没していることが判明し、一帯が水中考古学発祥の地となる。著者は1988年、アメリカのチームがこの海域で行った難破船の発掘調査に参加。地中海交易の通説を覆したという同調査を通して、水中考古学の現場を解説する。さらに、長崎県沖での元寇船や千葉県沖での幕末の黒船の発掘調査などを通し、海底探検と研究の実際に触れる。(中央公論新社 800円+税)





【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択