「上を向いたら歩けない」 横山直樹著

公開日: 更新日:

 現在、日本では格差の拡大が社会問題になっている。従来、株式会社は資本主義の象徴とみなされて、格差を生み出すメカニズムのように考えられてきたが、実際は株式会社は階級対立の発生を緩和する役割を担ってきた。この株式会社制度こそ、現在の格差社会を是正する最有力の選択肢だと著者はみる。これまでは株式会社が農地を取得するのを禁止してきたが、むしろ企業が農業経営に乗り出せば、日本の農業は国際競争力のある産業として発展できるという。

 安易にグローバルスタンダードを導入するのでなく、少数民族国家としての立場を守ることを提唱するユニークな日本変革の試論。(みやび出版 2300円+税)





【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み