「真説 真田名刀伝」東郷隆著

公開日: 更新日:

 真田家の宝刀「茶臼割り」の数奇な運命を描く戦国時代小説。

 天文3(1534)年、信濃・上野国を治める海野家の傍系の三男・能登守輝幸は、諸国行脚中に常陸国での野試合で、相手を叩きのめし、太刀を手に入れる。太刀には名刀「鬼丸」の銘がつけられていた。祭りで暴れだした牛を能登が一刀両断し、刀は「牛斬り」の異名を持つ。「太刀占」した鹿島の卜伝は、牛斬りは「やがて、貴殿のもとを離れ、さる御仁の所持」となるが、後に再び能登のものになると予言。言葉通り、帰郷すると太刀は兄の幸光に横取りされる。

 ある夜、幸光らが夜盗を退治中、牛斬りが投げつけられた石臼を斬り割る。以来、太刀は「茶臼割り」と名付けられる。(角川春樹事務所 1600円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ