「PTAグランパ!」中澤日菜子氏

公開日: 更新日:

 主人公は、大手家電メーカーを定年退職し、悠々自適の隠居生活を送る武曾勤67歳。ある日、商社勤めの一人娘が小学校1年の孫娘を連れて出戻ってきた。忙しい娘にかわりPTA副会長を引き受けたものの、主婦たちの戦場で“ザ・昭和の男”は大苦戦――。

「私、昔からオジサンを観察するクセがあるんですが、今、見ていて飽きないのは定年退職した60代半ばの男性。高度成長期に仕事一筋で生きてきて、定年になったとたん、次に何をやろうかとジタバタもがく様子がユーモラスに見えるんです(笑い)。そんな男性が、仕事という支えがなくなったとき、どういう生き方ができるのかを書いてみたかった。しかも、仕事とは対極にあるお母さんの巣窟のようなPTAにポンと放り込んだら、すごい化学反応が生まれるんじゃないかと思ったんです」

 PTAのメンバーは会長が24歳金髪のギャル男、もうひとりの副会長はパートで働く主婦・順子。さらに会計監査でボスママの雅恵と、その取り巻きたちという面々だ。「効率第一」「資料づくりは女の仕事」――。会社の世界しか知らない勤が女性陣とうまくいくわけがなく、たちまち総スカンを食ってしまう。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋