「日本刀の科学」臺丸谷政志著

公開日: 更新日:

 独自の形態と機能美を備えたわが国特有の武器である日本刀。伝統技術に基づくその作刀工程から武器としての機能まで、科学的観点から解説した入門書。

 平安中期に出現したといわれる日本刀は、日宋貿易の重要な輸出品にもなり、11世紀にはすでに日本刀の呼称で宋の人々に武器、さらに美術工芸品として高く評価されていた。反りのない直刀だった奈良時代の上古刀に始まるその歴史を概観。

 その上で、たたら製法によって作られる素材の和鋼と主に12段階に分かれるその工程を解説。さらに、材料力学の視点で分析する武器としての日本刀の強度や強靱さ、相手の攻撃を受けた際の衝撃応答実験など。日本刀の美しさと強さの秘密に科学の目で迫る。(SBクリエイティブ 1000円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」