「『ぼんやり』が脳を整理する」菅原洋平著

公開日: 更新日:

 脳のリハビリテーションを専門にしている作業療法士である著者は、人間の脳がひらめき、大きく前進するときに見られる共通点は、①「気づきをつくる」、②「ぼんやりする」、③「自分を外から見る」の3点だという。これを順番に実行するだけで、仕事で多忙なサラリーマンでも、効率的にひらめきを生み出せるという。

 脳には、情報を入力する「実行系ネットワーク」、脳内の情報をまとめる「デフォルトモードネットワーク」、2つを切り替える「セイリアンスネットワーク」の3つの神経ネットワークがある。セイリアンスネットワークを基盤として、①気づきをつくる段階を実行系ネットワークが、②ぼんやりする段階をデフォルトモードネットワークが担っている。この2つのモードが両立して作業をしている自分を、③もう一人の自分が外から見て指示を出す状態を「メタ認知」と呼び、これがひらめきを生み出す。

 これらのネットワークの協調を邪魔してしまうNG行動は、「ネットで詳しく記事を読む」「入門から勉強する」「落ちついてから考えようと宿題にする」「場所を替えてカフェで作業する」「アイデアについて議論する」だという。

 本書で解説している脳がひらめきを生み出す仕組みを理解すれば、取るべき行動、やってはいけない行動が分かる。(大和書房 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし