「遠い唇」北村薫著

公開日: 更新日:

 向井さんは、作家の私が新人のころから親しくしている編集者。新著が出ることになり向井さんの出版社を訪ねた私は、数年前に亡くなった彼女の夫の話を聞く。入院中の夫に頼まれ、和菓子の「黄身しぐれ」と「葛ざくら」を届けたら、夫は包み紙の裏に「しりとりや 駅に かな」と書いて、「駅に」と「かな」の間に黄身しぐれを置いたという。俳句をたしなむ向井さんへの謎かけらしい。

「駅に君 時雨かな」と読み解いた私に向井さんは、高校時代の夫との出会いを語りだす。しかし、字数も合わず、「しりとりや」の意味も分からず、俳句にもなっていない。(「しりとり」)

 ミステリーの名手が人の心にわだかまる「暗号」を解いていく短編。(KADOKAWA 1400円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    藤浪ら感染の“合コン” ゾロゾロ出てきた参加者32人の素性

  2. 2

    小倉優子「離婚危機」の行く末…夫反撃で世間の風向き一転

  3. 3

    杏が東出昌大と離婚決意…情報は関係者リークの“お墨付き”

  4. 4

    危機感が足りない?新型コロナ蔓延でも芸能人は遊びまわる

  5. 5

    安倍政権またもケチケチ「1世帯30万円給付」は8割が対象外

  6. 6

    外国メディアの引用でしか政府批判ができない日本の報道

  7. 7

    志村けんさん「芸人運」にかき消された女性運と運命の相手

  8. 8

    外出禁止4週目で実感 日本人の規律にロックダウンは不要

  9. 9

    堀北真希を超える? 妹・NANAMIのブレークを後押しする力

  10. 10

    二宮夫人を悩ます 嵐の“活動休止延長”と羽田新飛行ルート

もっと見る