「一〇一教室」似鳥鶏著

公開日: 更新日:

 大学院生の拓也は、叔母に誘われ、いとこの英人が学ぶ恭心学園の体育祭を見学に行く。全寮制中高一貫校の恭心学園は、教育再生を掲げるカリスマ教育者の松田が創立。難関校への高い進学率を誇るとともに、引きこもりや不良の更生でも実績を挙げ、世間の注目を集めていた。翌月、拓也は英人の訃報を聞き耳を疑う。死因は虚血性心疾患だというが、告別式では棺が開けられることもなく、拓也は不審を抱く。拓也は、同じ思いを抱くいとこの沙雪と遺品を受け取りに行くという名目で学園を訪ねる。養護教師の金尾によると、教師たちは部活中に倒れた英人を、金尾の判断も仰がず、自ら病院に運んだという。

 生徒を外界から隔離し管理する学校を舞台に描く長編ミステリー。(河出書房新社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」