鉄面皮の内側 プーチンのしたたかな政治手腕を精査

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「プーチンの世界」フィオナ・ヒルほか著、濱野大道ほか訳

 強烈なエリート意識とワルぶった物腰。権力の中枢にありながらもアウトサイダーの仮面をかぶりたがる。「プーチンはもっとも謎多き人物」という著者は、米民主党系のブルッキングズ研究所のロシア専門家。KGB勤務だったプーチンの父も、戦時中KGBの前身の破壊工作部隊で対ナチ破壊任務に従事。戦争末期は妻子とレニングラード包囲戦の渦中にとどまり、その際プーチンの幼い兄が犠牲になったという。一家は強烈なサバイバー意識で歴史を生き抜いてきたのだ。

 トップダウンで企業にも介入したがるところなど、トランプとの共通点が多々見つかって思わず背筋が寒くなる。(新潮社 3200円+税)

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