「NO-NO BOY」ジョン・オカダ著 川井龍介訳

公開日: 更新日:

 1941年12月7日。日本軍がパールハーバーを奇襲攻撃して以来、アメリカ人として生まれた日本人は、ジャパニーズ・アメリカンではなく日本人と見なされた。日本人は集められ、アリゾナなどの奥地にある収容所に入れられた。

 アメリカへの忠誠を証明するため、軍隊に志願した者もいたが、イチローは母の願いで志願せず、刑務所に入れられる。4年後、実家に戻ったイチローは両親と再会したが、母は日本が戦争に勝ったと思い込んで、日本から迎えの船が来ると信じていた。

 日米戦争によってアイデンティティーを喪失した日系人青年の苦悩を描く、1957年に出版された作品が新訳で蘇る。(旬報社 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が