「『日米合同委員会』の研究」吉田敏浩著

公開日: 更新日:

 首都圏を覆う「横田空域」という広大な空域を米軍が戦闘機の訓練などで独占的に使用しているが、実はその権利は国内法上の根拠がなく、日米地位協定にも明記されていない。この無法状態の背後にいるのが「日米合同委員会」である。

 発足したのは1952年。メンバーは日本の中央官庁の高級官僚と在日米軍の高級軍人、アメリカ大使館の高級外交官で、彼らが米軍基地の場所の決定、米軍関係者の犯罪の捜査などを協議している。1972年の沖縄返還で那覇空港や飛行場管制業務が日本に返されたが、嘉手納、普天間などの米軍基地の管制業務は米軍に委ねられたままである。

 闇の権力機構に肉薄する一冊。(創元社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒