「それは経費で落とそう」吉村達也著
初狩電器営業部の塩崎は、大学の後輩と飲んだ代金を経費で落とすため、いつものように寿司屋でもらった白紙の領収書を偽造する。しかし、経理担当の愛子が、不正をネタに一度だけでいいから抱いて欲しいと迫ってきた。
結婚を控える塩崎は、さらに結婚まで迫ってきた愛子を殺して湖に沈めてしまう。結婚まで1週間と迫ったある日、塩崎は上司の小淵に呼ばれる。小淵の手には塩崎が偽造した領収書があった。塩崎が寿司屋で接待したとウソの報告をした取引先の社長が他殺体で見つかり、警察によると殺されたのは領収書に書かれた日付だと分かったという。(「表題作」)
単身赴任先での浮気や上司と部下の関係などサラリーマンの日常をテーマにしたミステリー集。(集英社 560円+税)