「遠縁の女」青山文平著

公開日: 更新日:

 宮本武蔵が没してすでに140余年も経つ寛政の年のある日、23歳を迎えた片倉隆明は剣の修行の旅に出ることになった。剣よりも学問が重きをなす時代にあってこの浮世離れした選択をしたのは、父からの強い勧めがあったからだ。

 父の急死をきっかけに5年の長きにわたる武者修行を終え国元に帰ってきた隆明は、藩校の朋輩で、その後市川家に婿入りした誠二郎が2年前に切腹していたことを知る。この意外な出来事と父の強い勧めの背後には隆明の遠縁で、誠二郎の妻となっていた幼馴染みの信江の存在があった。そして最後に語られた驚愕の事実とは――。

 他に、「機織る武家」「沼尻新田」を含む珠玉の3編を収録する傑作武家小説集。(文藝春秋 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール