「人みな眠りて」カート・ヴォネガット著、大森望訳

公開日: 更新日:

「スローターハウス5」「猫のゆりかご」など、数々の名作を残した現代アメリカ文学を代表する作家ヴォネガット。彼の没後に刊行された短編集の本邦初訳。

 表題作はクリスマスストーリー。クリスマスだけでなく、政府や婚姻や愛国主義などへの敬意を欠いてはいるが、10年間も新聞社で社会部長を務める40代半ばの辣腕部長がクリスマス野外イルミネーションコンテストのベスト20を町中を回って選んでくるはめに。

 そして、最後に訪ねた家で優勝間違いなしの驚愕のイルミネーションに出合ったが、飾られていたイエスやマリアの石膏像が盗まれるという事件が起こり、意外な展開に……。

 ほかに「ジェニー」「消えろ、束の間のろうそく」など、いずれも若きヴォネガットの才気がほとばしる珠玉の16短編を収録する。(河出書房新社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」