「人みな眠りて」カート・ヴォネガット著、大森望訳

公開日: 更新日:

「スローターハウス5」「猫のゆりかご」など、数々の名作を残した現代アメリカ文学を代表する作家ヴォネガット。彼の没後に刊行された短編集の本邦初訳。

 表題作はクリスマスストーリー。クリスマスだけでなく、政府や婚姻や愛国主義などへの敬意を欠いてはいるが、10年間も新聞社で社会部長を務める40代半ばの辣腕部長がクリスマス野外イルミネーションコンテストのベスト20を町中を回って選んでくるはめに。

 そして、最後に訪ねた家で優勝間違いなしの驚愕のイルミネーションに出合ったが、飾られていたイエスやマリアの石膏像が盗まれるという事件が起こり、意外な展開に……。

 ほかに「ジェニー」「消えろ、束の間のろうそく」など、いずれも若きヴォネガットの才気がほとばしる珠玉の16短編を収録する。(河出書房新社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ