「生物はウイルスが進化させた」武村政春著

公開日: 更新日:

 ウイルスは人に害を与える厄介者のイメージがある。しかし、最近はその常識が覆され、「ウイルスは生態系になくてはならない恩人である」という構図もでき始めているという。そのキッカケが巨大ウイルスである「ミミウイルス」の発見なのだそうだ。

 著者は東京理科大学理学部第一部教授の生物学者。ミミウイルスを見つめることは「生物とは何か」「ウイルスとは何か」など根源的な問題をコペルニクス的な転回を余儀なくされる可能性を秘めている、と主張する。いまや病気の多くは感染症などによる慢性炎症が原因といわれるだけに、ウイルスの正体と人体内での働きを知ることは興味深い。(講談社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ