「脳はいいかげんにできている」デイヴィッド・J・リンデン著、夏目大訳

公開日: 更新日:

 人間の脳は、「巧みに設計され、効率的にはたらく」究極の機械とよく絶賛される。しかし、脳は「寄せ集め、間に合わせの産物」に過ぎず、にもかかわらず、非常に高度な機能を持ち得ていることが実は驚異なのだという。そして、私たちが抱く感情や知覚、行動の多くは、脳が非効率な設計になっていることから生じているとも。本書は、そんな知られざる脳と心の仕組みを説いたサイエンス・ノンフィクション。

 脳には、何億年という進化の中で生じた種々の問題に「その場しのぎ」で対応してきた痕跡がすべて残っているという。特定の相手と夫婦関係を続けることや、文化を問わず宗教を持つことなど、人間ならではの特徴を脳の成り立ちから解説。脳の常識を覆す知的好奇心をくすぐる書。(河出書房新社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解