「家康の遠き道」岩井三四二著

公開日: 更新日:

 駿府に隠居した家康に、南蛮人が朱印船の船員を殺したという知らせがもたらされた。交易は必要だがキリシタンは問題だ。家康は有馬修理に南蛮船を撃てと命じる。もうひとつ頭をいためているのが豊臣秀頼のことだ。他の大名のように上洛を促しても来ようとしない。大叔父にあたる織田有楽斎や北政所、加藤清正らが尽力して、なんとか承知させた。秀頼がどれほどの器量の持ち主なのか見極めようとした家康は、六尺豊かな大男、加藤清正のうしろを歩いてくる秀頼の大きさに目をみはった。

 戦国時代を勝ち抜き、手中に収めた天下を維持するために「守成」に腐心する家康を描く時代小説。(光文社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方