潜伏期間が50年? 中高年はC型肝炎の検査を

公開日: 更新日:

「C型肝炎この10年でわかったこと」板倉弘重監修 広海輝明著

 現在7タイプが発見されているウイルス性肝炎の中でも、もっともやっかいなのがC型肝炎。症状が比較的軽いために感染に気づかないことが多く、感染者のおよそ70%が慢性化してしまう。そして、いつの間にか肝硬変や肝臓がんへと進行するというから恐ろしい。

 C型肝炎ウイルスは感染者の血液を介して感染し、過去の輸血や血液製剤の投与、臓器移植、覚醒剤の回し打ちなどでリスクが高まる。こう聞くと自分には無関係のように思えるが、適切な消毒をしない器具を使っての医療行為や、感染者とのカミソリや歯ブラシの共用などでも感染の可能性がある。日本人のウイルス性肝炎のほとんどがC型肝炎であり、患者のほぼ半数で感染源が不明というデータもあるため、決して他人事ではない。

 早期に治療すればC型肝炎は不治の病ではないが、インターフェロン注射をはじめとするいくつかの治療法には有効性が限られたり副作用が認められるという問題点もあった。しかし近年では、抗酸化作用の高いステビア草のエキスによる新たな治療薬も生まれている。

 潜伏期間が長いこともC型肝炎の特徴であり、20年や30年、ときには50年にも及ぶことがある。

 幼い頃に受けた予防注射が感染源という例もあり、心当たりがなくても40歳を過ぎたら必ず肝炎ウイルス検査を受けるべきだと本書は警告している。(青萠堂 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然