「世界一の珍しい鳥」蜂須賀正氏著、杉山淳編

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 徳川慶喜の孫にして大名華族、学習院中等科から、父の母校ケンブリッジ大学に入学し、鳥類の研究に没頭。そして、探検家にして飛行家であった著者(1953年没)は、17世紀に絶滅した巨大な鳩ドードー研究の権威として世界的に知られ、沖縄本島と宮古島との間に引かれた生物地理学上の線である蜂須賀線にその名をとどめた奇才の鳥類学者である。

 本書は、50年に出版した「世界の涯」に収録された絶滅鳥ドードーとモアについての文章を中心に、「アフリカ猛獣狩奇談」「ブルガリヤ国王」「サハラ砂漠」など雑誌に発表された紀行文を加え、博物学者ハチスカの世界が一冊に収められている。

 作家・川端裕人氏の解説付き。

 (原書房 3800円+税)

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