「凍土の狩人」森村誠一著

公開日: 更新日:

 総合病院を経営する漆原と妻の登紀子は、警察沙汰まで起こした浪人生の息子・宏之の性欲処理に頭を悩ます。揚げ句、誘拐した女性を薬で眠らせ、宏之にあてがうという行為を繰り返してきたが、ある日、目覚めた尚子に警察に通報すると脅され、思わず殺してしまう。

 事務長の五藤に処理を任せるが、数日後、崖から転落した五藤の車が見つかる。しかし、五藤も尚子の遺体も出てこない。

 一方、尚子の兄・松葉は、失意の中、妹に似た梨枝と出会い結婚。1年後、松葉の店の経営が傾き、3000万円が必要になった。あてがあると言い残し、資金繰りに出かけた梨枝が他殺体で見つかる。

 満たされない現代人の欲望をテーマにした長編ミステリー。

 (集英社 540円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞