「ルビンの壺が割れた」宿野かほる著

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 水谷一馬は、フェイスブックで偶然、未帆子という名を見つける。未帆子は一馬にとっては忘れられない女性だった。まさかと思いつつメッセージを送ると、やがて返信が。それは紛れもなく、28年前に別れた元婚約者の未帆子本人だった。

 こうしてメールによる2人の往復書簡が始まる。

 大学の演劇部の先輩後輩だった一馬と未帆子。その出会いから生い立ち、やがて結婚へと向かう過程が懐かしい思い出話とともにつづられていく。

 しかし、やりとりが進むにつれ、それぞれが隠していた秘密が浮き彫りになっていく。

 一馬は意を決して問う。結婚式の当日、未帆子はなぜ現れなかったのか、と。それに対する未帆子の返信は……。

 思わぬ結末に戦慄が走るサイコホラー

(新潮社 1000円+税)

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