「競馬の終わり」杉山俊彦著

公開日: 更新日:

 2110年、温暖化による自然災害の多発で、世界のパワーバランスが崩壊。日本はロシアの占領下におかれる。

 ある日、競走馬を生産する笹田の牧場を見知らぬロシア人が訪ねてくる。北海道地区管理府トップのイリッチ弁務官だった。イリッチは、笹田が生み出したサッドソングの初仔の購入を希望。仔馬は売約済みだったが、笹田が決めた購入先とはすでに話がついているという。理由をいぶかる笹田にイリッチは、ダービーを自分の馬で勝ちたいからだという。実は、3年後にサラブレッドのサイボーグ化が施行されることになり、現1歳馬が生身で行われる最後のダービー世代になることが決まっていた。

 未来の競馬を描いた第10回日本SF新人賞受賞作。

 (集英社 620円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  3. 3

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  4. 4

    回復しない日本人の海外旅行…出入国数はGWもふるわず、コロナ禍前の半分に

  5. 5

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  1. 6

    「リースバック」で騙される高齢者続出の深刻…家を追い出されるケースも

  2. 7

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  3. 8

    田中圭にくすぶり続ける「離婚危機」の噂…妻さくらの“監視下”で6月も舞台にドラマと主演が続くが

  4. 9

    千葉工大が近大を抑えて全国トップに 「志願者数増加」人気大学ランキング50

  5. 10

    三山凌輝活動休止への遅すぎた対応…SKY-HIがJYパークになれない理由