「名探偵傑作短篇集 火村英生篇」有栖川有栖著
推理作家の有栖川は、友人の火村に呼び出され、事件現場に駆け付ける。臨床犯罪学者の火村は、フィールドワークと称し、捜査に参加しており、有栖川も彼の助手として認められていた。
現場は外国人モデルのサンダースが転落死した自宅マンションだった。目撃者の証言から被害者がバルコニーで何者かと争っていたことが分かる。しかし、サンダースの部屋はチェーンロックがかかっていたという。マンションは弁護士の田宮が彼女に買い与えたものだった。行方を捜すと田宮は所轄署にいた。1時間前に踏切事故で彼の妻が死んだというのだ。(「赤い稲妻」)
火村と有栖川のコンビが不可解な事件の謎を鮮やかに解いていく短編集。
(講談社 840円+税)