「バカになったか、日本人」橋本治著

公開日: 更新日:

 人気作家が呆れた世の中を斬る時評エッセー。

 東日本大震災と原発事故が起きたのは、著者が4カ月の入院生活から自宅に戻って1カ月後だった。まだ闘病は続いており、体力がないため、冷静(と似たような)状態で、世の中の動きを見ていたという。

 当時の菅首相は大震災を「戦後最大の危機」と表現し、「戦後」という時代区分の中の出来事として捉えた。

 しかし、この震災からの復興は「戦後復興神話」から決別した、新しい時代区分の始まりと位置付けないとどうにもならないと指摘。そんな震災直後の思いから、その後の原発騒動や原発以上に厄介な政治の問題、そしてそんな政治家たちを容認している国民のあり方まで、思考の手がかりを教授。

(集英社 520円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ