「戦争の大問題」丹羽宇一郎著

公開日: 更新日:

 日本が戦争に巻き込まれる可能性は低くない。現状維持しようとする覇権国に対し、新興国が現状変更を強行することが戦争を引き起こす原因になることを「ツキジデスの罠」というが、新興国・中国の現状変更が続けば米中戦争が起こる可能性がある。第2次大戦の時、1941年に陸海軍や官庁、民間のエリートが、資源不足と生産力不足のため日本は負けると予測したのに、東条英機はその報告を握りつぶした。当時の戦争指導者は、勝てる見込みがあれば設定するはずの到着点を設定せず、戦争に走ったのだ。

 民間出身で初の中国大使を務めた国際ビジネスマンが、元防衛大臣、軍事ジャーナリストらの話に基づいてまとめた戦争論。

(東洋経済新報社 1500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る