「おおきく考えよう」ペーテル・エクベリ作 イェンス・アールボム絵 枇谷玲子訳

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 アクティブラーニングの先進国、スウェーデン産の哲学入門書。アクティブラーニングとは、教わる側が能動的に学んでいく学習法だが、本書でも、単に哲学的な考えを解説するのではなく、読む側が自分で考えていくような設問の仕方をしているのが特徴。

 まず、人間がこの世に生まれてくることがいかに奇跡的なことかを説き、「きみはこの世に生を受けた。その命をどうしたい?」と問いかける。次に、さまざまな生物が生きているこの地球に存在している「自分」とは何者なのか、と。さらにルネサンス期の哲学者、ピコ・デラ・ミランドラの「人間はすべての生き物のなかでもっとも幸せだ」という言葉を紹介し、人間にとって「幸せ」とは何かを考えさせる。

 といった具合に、人間の本質、理想の社会、人生の意味といった哲学的な命題を自分で考えていく。内容は高度だが絵本仕立てになっていて読みやすい。スマホばかり眺めている人も、たまにはこういう大きな問題を考えるのもいいのでは?

(晶文社 1500円+税)

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