妊活で発覚…性交痛や挿入困難の原因“陰茎湾曲症”とは?
「タイミングを合わせても、うまく挿入できない」「パートナーが痛がる」――。妊活中にそんな悩みを抱え、受診して初めて「陰茎の曲がりが問題だ」と気づく男性がいます。これは「陰茎湾曲症」と呼ばれる疾患で、勃起時に陰茎が左右や上下に湾曲し、性交時に痛みや違和感を引き起こすことがあります。これまで特別気にしてこなかった「曲がり」が、妊活をはじめて問題になるケースは少なくありません。
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陰茎湾曲症には、大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、生まれつき陰茎が曲がっている「先天性陰茎湾曲症」。もう1つは、思春期以降に陰茎内部の白膜に線維性の硬結(しこり)ができることで曲がってしまう「ペロニー病(後天性)」です。
先天性は、思春期に気づくことが多く、軽度なら生活に支障はありませんが、勃起時に30度以上の角度がつく場合、性交障害につながることがあります。挿入時に抜けやすい、特定の体位でしか性交できない、性交痛などの問題が生じます。
一方のペロニー病は、1743年にフランス人のFrancois Gigot la Peyronieによって報告された疾患で、中高年男性に多く見られる良性疾患です。進行すると陰茎が明らかに湾曲し、勃起不全(ED)を併発することもあります。実際には2〜9%程度の発症率とされており、手のひらの腱が硬くなって指が曲がったまま伸びなくなる「デュプイトレン拘縮(こうしゅく)」という手の病気を併発することもあります。
診断の際は、勃起時の状態を把握することが重要です。診察時に見せるのが難しい場合は、自宅で写真を撮って医師に見せる方法もあります。
「入らない」「曲がっているかもしれない」と思っても、パートナーに言い出せず、ひとりで抱え込んでしまう男性も多いのが実情です。その結果、性行為自体がストレスになり、EDを招いたり、妊活のタイミングを逃す原因になってしまうことがあるのです。