「他者という病」中村うさぎ著

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 2013年、原因不明の病で入院した著者は、1度の心肺停止と2度の呼吸停止状態を経験。全身の硬直と痙攣、そして激痛に襲われたが、処方された薬「ホリゾン」で症状はやや改善する。一方で、この薬には脳に作用して人格を変えてしまうという副作用があった。本書は、当時「私が私でなくなっていく」という恐怖を抱きながら病と向き合った壮絶な記録。

「死」は突然襲ってくるブラックアウトだったという。そして今でも「あのときに死んでいればよかった」とたびたび思うという死生観にはじまり、車椅子生活でトイレの世話まで介護をしてくれる夫との絆、そして人格が崩壊するという恐怖など。

 渦中に記した文章に、それを読み返す現在の自分からの冷静な感想を添え極限体験とその体験による思索の旅をつづる。

(新潮社 490円+税)


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