「おなかのカビが病気の原因だった」内山葉子著

公開日: 更新日:

 慢性的な便秘や下痢、皮膚トラブル、呼吸器疾患など、原因不明の不調に悩まされている人は、腸内にカビが増殖している可能性があると、医師である著者は警告する。

 カビといえばすぐに思い浮かべるのが、風呂場や台所に発生する黒カビや白カビ。そんなものが体の中で発生するのだろうか。実は、本書で言うカビとは「真菌」のことで、ウイルスや細菌よりも大きく複雑な構造を持ち、ツタが這うように食い込みながら増殖する。

 そして、人間の体内で悪さをするカビの仲間とは主に「カンジダ類」で、腸内で増殖すると免疫細胞を攻撃するグリオトキシンなどの有害物質が発生し、免疫力が低下してさまざまな不調の原因になるという。

 健康な人の腸内を調べてみても、約1%程度のカビが見つかるという。しかし、その活動は他の細菌によって抑えられている。ところが、間違った生活習慣次第で途端に増殖して牙を剥く。おなかのカビを増やす原因でとくに問題なのが、抗生物質の使い過ぎ。抗生物質は細菌を激減させる一方、真菌には効果がない。結果、カビの働きを抑えられなくなり、増殖を招くことになる。

 カビのエサとなる甘いものや炭水化物の取り過ぎにも要注意だという。長引く不調があるなら、体内のカビ退治を考えてみては。(マキノ出版 1300円+税)


【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル