朝1杯の水でゴースト血管を防ぐ

公開日: 更新日:

「“見えない病”の治し方」根来秀行著

 著者が客員教授を務めるハーバード大学医学部とその関連病院では、近年「ビヘイビオラルヘルスケア(behavioral health care)」が医療のキーワードになっているという。これは、患者の普段の行動に着目し、健全な行動に導くことで健康を取り戻すという考え。本書では、疲れやすい、熟睡できない、年に何度も風邪をひくなどの不調を、行動を変えることで改善していく方法を解説している。

 世界の先端医療では、健康長寿のためには「毛細血管」「ホルモン」「自律神経」「体内時計」という4つの要素を正常に働かせることが不可欠であると考えられている。例えば、体の隅々にまで免疫細胞を運び病原菌の侵入や炎症を阻止するためには、毛細血管が健康でなくてはならない。

 しかし、血流が低下した状態が続くと毛細血管は次第に劣化し、役割を果たさなくなる“ゴースト血管”となってしまうという。これを食い止めるためには、体内時計を正常に動かして自律神経を整え、ホルモンの分泌を活性化する生活習慣を心がけることが重要だ。

 朝起きたらカーテンを開けて光を浴び、コップ1杯の水を飲む。これだけでも、体内時計はリセットされて正常化し、老廃物の排出が促されて血流が促進される。起床してから1時間以内に朝食を取ることもお勧めだ。胃腸が動き出すことで、体内時計と連動して全身の機能が活性化される。毎日決まった時間に食事を取るのも有効だ。

 行動習慣を少し変えるだけで、長引く不調が改善されるかもしれない。

 (清流出版 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    激太り危機は今や昔…浜崎あゆみ「激ヤセ説」も「連日ケーキ2個」の健啖ぶり

  3. 3

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 4

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏

  5. 5

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  1. 6

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 7

    カブス鈴木誠也に「打点王」がグッと近づく吉報 “目の上のタンコブ”スアレスにア・リーグへのトレード情報

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    参政党の公党にあるまじき「メディア排除」気質…会見場から神奈川新聞の批判記者を締め出し

  5. 10

    さや氏「略奪婚は人の道に反する」と否定もネットでは“今井絵理子枠”確定の皮肉…胸元露わな妖艶スタイルも