「その調理、9割の栄養捨ててます!」東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修

公開日: 更新日:

 栄養バランスを考えて毎日しっかりと食べているのに、あまり疲れが取れない――。そんな人は、“栄養ロス”からくる「隠れ栄養失調」かもしれない。

 例えば、ニラは疲労回復に効果を発揮するアリシンを豊富に含み、レバーなどと炒めてスタミナ料理に用いられることが多い。しかし、ニラの根元に豊富なアリシンは、細かく刻むほど活性化するが、太いざく切りだと25%も損をしてしまう。一方、葉先に豊富なビタミンAやCは、細かく刻むと破壊されてしまうため、太いざく切りにするのが理想なのだ。

 各種の食材には、栄養素をしっかり取るための調理法がある。本書では、効率的に無駄なく食べるための、食材の切り方や加熱法を紹介している。

“1日1個のリンゴは医者いらず”と言われるほど、ビタミンCやEをたっぷりと含むリンゴ。ほとんどの人は、縦切りのくし形にして食べているはずだ。しかし、リンゴの栄養は芯の周りにもっとも豊富で、くし形に切ってしまうと大切な部分を25グラムも捨てることになる。しかし、横に薄く輪切りにし、芯に向かって食べるようにすれば、捨てる部分はたったの3グラムで済む。8倍もお得に栄養がとれるというわけだ。

 青魚は脳や血管に有効なDHAやEPAの宝庫だが、加熱すると50%も減ってしまう。理想的な食べ方は刺し身。骨や皮も丸ごと食べれば栄養ロスも減らせるため、缶詰でとるのもおすすめだ。

(世界文化社 1400円+税)


【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態