「読書の価値」森博嗣著

公開日: 更新日:

 子供の頃、本を読むのが大の苦手だったという人気作家による読書論。

 氏が読書に開眼したのは、小学校4年。電波について知りたいと思ったのだが、大人に聞いても誰にも答えてもらえず図書館で見つけた本で納得。人類の積み上げてきた知識が本に詰まっていることに気づき、以来、本を読み漁るようになったという。そんな自身の本との出合いを振り返りながら、読んで、その内容を自分のものとして「展開」する行為が本来の読書体験であり、速読などは読書ではないと説く。

 本に出合うことは、人に出会うことと限りなく近い。ゆえに本選びは友達を選ぶ感覚に近く、誰かにすすめられたりしたものではなく、自分で選ぶこと、その選ぶ時間が必要だと、氏の創作を支えてきた読書の極意を明かす。

 (NHK出版 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"