「通貨烈烈」船橋洋一著

公開日: 更新日:

 1985年のプラザ会議でのドル安への転換から、87年のルーブル会議での為替安定合意まで。当時のアメリカ・日本・西ドイツ・フランス・イギリスによる5カ国蔵相・中央銀行総裁会議=G5を舞台にした熾烈な通貨外交の内実を描いたノンフィクションの復刻。

 当時、レーガン政権下のアメリカは、日本や西ドイツとの貿易関係が極度に緊張。経常収支の赤字の膨張が止まらず、第1次大戦以来、初めて純債務国へ転落した。各国は財政赤字削減とドル高是正を求めるが、レーガン政権は無策で、世界の貿易制度がきしみはじめていた。こうした状況を背景に、85年9月、国際的な経済政策協調の本格的な試みとしてG5が開催される。

 各国参加メンバーへのインタビューを重ね、その裏側に迫る。

(朝日新聞出版 1000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"