「ISOROKU異聞・真珠湾攻撃」柴田哲孝著

公開日: 更新日:

 始まりは1937年12月12日。揚子江において、日本海軍機が米国砲艦パナイ号を攻撃して死傷者を出した。

 だが、同艦を敵の偽装船とみなした海軍機の誤爆だった。日本政府はすぐさま米政府に謝罪するが、実はこの誤爆、時の米大統領F・D・ルーズベルトが日本を挑発した策略だった。

 この布石はやがて、孤立主義を掲げる米国が、英国首相チャーチルが苦戦する欧州戦線への参戦という大義名分を得るための、日本を対米宣戦布告へ促す挑発となっていく。

 この日米開戦の鍵を握るのが、連合艦隊司令長官・山本五十六だ。五十六はかねて、万一、米国に戦争を仕掛けるなら、真珠湾を航空隊で奇襲し、在泊している米太平洋主力艦隊を攻撃すべしとの提案をしていた。しかも、ルーズベルト、チャーチル、五十六の3人の間にはあるつながりがあった……。

「下山事件 最後の証言」の著者が、「真珠湾攻撃ルーズベルト謀略説」を中軸に据え、日英米の虚々実々の駆け引きを描いた、日米開戦秘話。

(祥伝社 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした