「うちの旦那が甘ちゃんで」神楽坂淳著
沙耶の夫の月也は、南町奉行所で火盗改方と同じく凶悪な事件に対応する風烈廻方同心を拝命。しかし、根っからのお人よしと、のほほんとした性格で、付き人の小者が呆れて次々と逃げ出してしまう。沙耶は、いっそのこと自分が小者として夫の仕事を助けたいが、月也はいい顔をしない。
そんな中、市中で押し込み強盗が頻発。他の強盗と違い、一味は少人数で、なぜか金も根こそぎ奪ってはいかない。月也の話を聞くうち、沙耶には犯人の正体がおぼろげながら分かってきた。しかし、確たる証拠はまだない。沙耶は幼馴染みの寿司屋の女将・喜久らの手を借り、独自に情報を集める。
お人よしの同心としっかり者の妻のコンビが事件を解決する時代連作。
(講談社 600円+税)