「結婚奉行」辻井南青紀著

公開日: 更新日:

 旗本御家人の家で養子縁組や持参金などが横行。金次第で結婚相手を決める悪習を廃するため、火盗改同心だった新十郎は、「結婚奉行」に任じられる。さっそく大番組頭の有馬家の一人娘・千世から相談事が持ち込まれた。祝言の朝、こつぜんと姿を消した花婿の藤蔵を捜して欲しいというのだ。

 藤蔵は寺嶋道場の跡取りだった。呼び出した道場の当主に話を聞くと、遠い親戚筋にあたる藤蔵とは元服まで会ったことはなかったが、剣の素質と人柄を見て養子縁組を決めたという。藤蔵の出身である東国の外様藩に人を送るが、親戚だという藩士を見つけることができなかった。(「消えた花婿」)

 真面目一筋、猪突猛進の新十郎が、妻や友人らの助けを借りて武家の婚活を助ける時代連作集。

(新潮社 590円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール