「星の文学館」和田博文編

公開日: 更新日:

 映子は、たまに部屋から歩いて3分の場所に借りた駐車場の車の後部座席で一夜を過ごす。車で寝ると懐かしい記憶が呼び起こされるからだ。8歳の冬、車の後部座席で寝ていた映子が目を覚ますと、知らない間に車は走り出し、運転席には見知らぬ男がいた。文蔵と名乗った男は、映子が乗っていたことに驚くが、車は既に高速道路を走っており、降ろすこともできない。おとなしくしていれば危害を加えないという文蔵を信じた映子は、目的地が近づいたサービスエリアで文蔵と一緒に星を眺める。(三浦しをん著「冬の一等星」)

 ほかに、ハレー彗星と地球との衝突の噂に揺れる日々を描いた内田百聞のエッセーなど、天体をめぐる文学作品を編んだアンソロジー。

 (筑摩書房 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり