「海の歴史」ジャック・アタリ著 林昌宏訳

公開日: 更新日:

「海の民」であるギリシャ人とフェニキア人が地中海で暮らしていた頃、もう少し内陸部に定住したのがエジプトとカナンからやってきた元ノマド、ユダヤ人だった。彼らは海には関心を示さなかったが、ギリシャ人やフェニキア人と交易を行った。だが、ユダヤ人の創造神話では海は重要な役割を担っている。ユダヤの聖典「トーラー」には、現代の科学が語る地球史とほぼ同じ天地創造の様子が記されている。エルサレムが陥落して離散したユダヤ教徒は、地中海での交易を利用してユダヤ教を広めていった。

 宇宙と水の誕生から、海をめぐるさまざまな民族の歴史、地球の温暖化や海の酸性化まで視野に入れた壮大な文明論。

(プレジデント社 2300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  4. 4

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 5

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    中川翔子「Switch2転売購入疑惑」を否定も火に油…過去の海賊版グッズ着用報道、ダブスタ癖もアダに

  3. 8

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 9

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る